センター長挨拶

 本センターは、これまで50年以上にわたり、本学の本郷、弥生、浅野キャンパスにおける寒剤供給と関連支援業務を行ってまいりましたが、 昨年2020年2月に学際融合研究施設となり、名称を低温センターから低温科学研究センターに変え、新たな組織として出発しました。 これを機に、キャンパス内における寒剤の安定供給、とりわけ希少資源かつその100%を輸入に頼る戦略物資であるヘリウムを最小限の損失でリサイクルする 「ヘリウムゼロロスプロジェクト」が、前センター長大越慎一先生、福山寛先生さらには関係各位のご尽力でスタートしました。 現在、キャンパス内の各部局の老朽化したヘリウム回収配管を順次交換し、新たな回収配管の設置も行っております。 ヘリウムは、研究者にとっていわば血液のようなもの、強靭な血管作りがまず何よりも求められますが、皆様のご協力もあり、 ヘリウムの回収率は格段に上がりました。この場をお借りして感謝申し上げます。東京大学のヘリウムリサイクル系を全国のロールモデルとなる より完璧なものへとさらに改善を重ねて行こうと思います。また、本センターのもう一つのミッションである機器の共同利用による研究支援は、 学際融合研究施設となり、これまで以上に強化いたします。昨年度末に、新たに磁化測定装置と超低温冷凍機(希釈冷凍機)が導入されました。 前者は共同利用を開始し、後者は、現在その準備を行っております。装置の利用は学外にも開かれておりますので、産学を問わず広くご利用いただければと思います。
 昨今のコロナ禍の状況で、皆様もさぞや御苦労をされていることと思います。センター職員も寒剤の供給業務には細心の注意を払い、 かような状況においても最大限に皆様の研究を後押しすべく日々奮闘しております。安全教育も、支援業務として本センターが最も力を入れております事業ですが、 現在、eラーニングという形で実施しております。皆さま、是非受講をお願いいたします。
 センター教職員一同、学際融合研究施設として、東京大学の研究を強く支えていく所存でございます。

令和3年5月26日
東京大学 低温科学研究センター長  鹿野田 一司